Épisodes

  • EP. 552『@あけましておめでとうございます 、其ノ四 - 丙午、ポトフ』
    Jan 8 2026

    新しい年のはじまり、寒い季節に恋しくなるのが、鍋を囲む時間。火を囲み、同じ鍋を分け合うという、人の温もりを感じさせてくれる一皿です。今年は60年に一度巡ってくる「丙午」の年。江戸時代の火事と恋の伝説、八百屋お七の物語から、かつては“火”と結びつけて恐れられた年でもありました。しかし今では迷信として語られ、私たちは改めて火とどう向き合うかを考える時代にいます。

    江戸時代から続く、出初め式に込められた祈りのように、今年一年、火を大切に、慎重に扱いながら、あたたかな食卓と穏やかな日々を重ねていきたいものです。

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  • EP. 551『@あけましておめでとうございます 、其ノ三 - 七草のお書初めはお品書き』
    Jan 7 2026

    今日は「七草がゆ」の日です。邪気を払い、万病を除くことができます。正月で疲れた胃腸を休めるごちそうでもあります。お正月には書き初めをした方もいると思いますが、私は先日、知り合いのお店で「お品書き」を書くのを手伝いました。献立の内容に合わせて、そのイメージの書体で書き上げたのですが、とても楽しいものでした。七草の「せり・なずな・こぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」もひらがなで優しく書くと、気持ちまで優しくなっているような気になります。自分がこれから食べようとしているものを書くのもある楽しさがあります。

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  • EP. 550『@あけましておめでとうございます 、其ノ二 - ふるさとの味』
    Jan 6 2026

    年末年始に故郷に帰ってふるさとの味を楽しんだ方もいらっしゃるでしょう。

    ふるさとの味というものは、変わらない味ではなく、離れてみて初めて輪郭がくっきりするものだと思います。年末に故郷で食べた「大村寿司」という押し寿司は、すでに東京の味に慣れてしまった私には、ものすごく甘いものでした。食文化は日本の遺産です。そしてそれは、一人ひとりのふるさとの味でもあります。

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  • EP. 549『@あけましておめでとうございます 、其ノ一 -「ハレ」と「ケ」』
    Jan 5 2026

    「おせち料理」召し上がりましたか?お正月三が日は、神様もお休みなので竃に火を入れない。ということから、お正月は大晦日に作った「おせち料理」を食べて過ごすようになりました。料理に多く砂糖が多く使われているのも、長く保存できるように考えられた知恵なんですね。そして、日本には、昔から「ハレ」と「ケ」という考え方がありますが、「おせち料理」は、お正月という特別な時に食べる「ハレ」の食べ物、一方「ケ」は「日常」を表す言葉で、「ケ」の食べ物といえば、「ごはん」「お味噌汁」といった日常食になります。

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  • EP. 548『@年末 、其ノ三 - 年越し蕎麦をたぐるなら』
    Dec 31 2025

    12月31日、大晦日(おおつごもり)。おそばをたぐりに参りましょう。東京都内には「砂場」という有名な蕎麦店がありますが、実は江戸発祥ではなく、大阪が発祥です。大阪城築城の際の資材置き場の砂場の近くに店があったことからその名になりました。谷崎潤一郎もおいしいと褒めたお店です。砂場の「ざるそば」は蕎麦の実をみがいてその中心の部分を卵と水であわせて練り上げています。「もりそば」は蕎麦の実全体を使っています。それぞれの味わいがあって楽しいものです。そばは歯で切らず去年から続くいいことをそのまま来年に持っていきましょう。

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  • EP. 547『@年末 、其ノ二 - 雪の降る夜は、真っ白雪鍋』
    Dec 30 2025

    都会で雪が降ると汚いものを白く隠してくれるようで嬉しい気がします。実は「雪」という漢字は「ほうきで掃くように、降り積もって世の中の汚れを払い清めるもの」という意味があります。日照時間が短く暗い印象のこの季節には、白いものを食べて気持ちを明るくしたいものです。さらに体も温まりたいとなれば「雪鍋」が最適です。ダシの中に具を入れ、大根や蕪をたくさんすって入れると鍋が真っ白な雪に埋もれたようになります。雪で真っ白くなった世界で、真っ白い雪鍋をいただいて、まっさらな気持ちで新年を待つのもいいかもしれません。

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  • EP. 546『@年末 、其ノ一 - 今年は「イカ」がでしたか?』
    Dec 29 2025

    この時期食べたくなる「白い食べ物」といえば「イカ」ですね。そして、冬は「紋甲イカ」、表面を少し炙ると良い香りがして、さらに美味しくなります。今年の春、富山に行った時に「黒作り」と呼ばれる「イカ墨」を混ぜた塩辛を頂きました。大根おろしに柚子が絞ってありました。とっても美味しかったです。ちなみに「イカ墨」が入っていない「塩辛」は「赤作り」という呼ぶそうです。そして「墨」といえば、お正月は「書き初め」ですね。来年の抱負は「北船南馬」。今年以上に、全国色々な所を絶えず旅して動き回りたと思っています。

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  • EP. 545『@広島 、其ノ四 - 鯛飯と剣菱、ベストペアリング』
    Dec 25 2025

    年末年始、めでたい時間に食べたくなる料理のひとつが「鯛飯」。日本の食文化らしい祝いの一皿です。広島・鞆の浦は、江戸時代から鯛の名産地として知られる場所。頼山陽の父、頼春水が記した鯛飯のレシピも、この地で獲れた鯛を用いるものでした。そして、その鯛飯に合わせたい酒として名を挙げられるのが、兵庫の銘酒「剣菱」。瀬戸内の明るい空の下、食と酒と歴史が静かにつながる、広島の一夜です。

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