猫間川寄席ライブ

上方落語で「古典落語の大作」と言えば、『立ち切れ線香』『菊江仏壇』『土橋萬歳』と並び、『百年目』が挙げられるでしょう。船場の商家の雰囲気を如実に描く上、季節感タップリで、「どこを取っても一級品」と言っても過言ではありません。

明治時代の速記本に、「食客」という演題で掲載されていますが、ほとんど上演されることがありませんでした。SF的な内容の小品ですが、捨て難い面白さがあるだけに、語り継がれてほしいと思い

明治時代に刊行された速記本に載っている東京落語を、ハメモノ（※お囃子入り）の上方落語に再構成して、約二十年前から上演しています。

上方落語の専売特許のようなネタでしたが、最近では東京落語でも頻繁に演じられるようになりました。

西行法師の歌行脚を描いたネタですが、元来は講談です。本当に、このようなことがあったかどうか？しかし、実に良く出来た話で、初めて聴くと、「なるほど！」と感心すること間違い無し！

昔から「浄瑠璃は芸の司」と言われていますが、大阪で浄瑠璃と言えば、義太夫節を指します。

明治の東京落語界の大立者・三遊亭圓朝が、観客から三つの題をもらい、見事に纏め上げたと言われているネタです。怪談噺・人情噺を十八番にしていた八代目林家正蔵から上方落語の三代目桂文我に伝わり、当代文我も演じるようになりました。

「鶴の恩返し」などのように、生き物が人間に恩返しをすることは、日本昔話に数多くあります。昔は、そのようなことがあったかも知れません。大切に飼っているペットも、恩返しをしてくれるでしょうか？

最近、「附焼刃は、剥げ易い」という諺を使うことが少なくなりました。但し、近年の国会答弁を聞いていると、この諺が当てはまる場面を見ることが多いのです。

昔から日本では、男女の仲を繋ぐ薬として、「いもりの黒焼」が珍重されていました。但し、いもりにとっては大迷惑でしょう。

人間の執念を如実に表現した怪異談ですが、ホッとする雰囲気が根底に流れているのが落語の面白い所と言えましょう。平成の今日、「丑の刻参り」をするような女性が居られるかどうか。

艶噺の一つで、先代（三代目）桂文我のみが演じていました。

名工・左甚五郎の逸話は講談や浪曲で語り継がれる間に、エピソードも大袈裟になり、本人の実像から掛け離れてしまいましたが、それは名人談の常と言えましょう。

東京落語の演題は『三軒長屋』と言い、寄席や落語会で頻繁に上演されますが、上方落語で演じられることは、皆無に近いと言えましょう。

大阪の商業の中心地・船場の古手（古着）屋で巻き起こる男女の艶物語なのですが、落語の演題は『口入屋』。その謎は、聞いていただければ、直ぐにわかるでしょう。東京落語でも『引っ越しの夢』という演題で、時折、上演されています。

全編を通して演じると相当な時間を要するだけに、『強飯の女郎買い』か、後半の『子はかすがい』のみを演じることが多いのです。人情噺のようでありながら、笑いも多いだけに、「泣き笑いの名作」と言えるのではないでしょうか。

「大盞」と書いて「たいさん」と読み、日本酒を呑む大きい盃のことを指します。『大盞』という落語は、昨今では演じられる機会が少ないネタとなりました。

「尿瓶」は身動きが不自由な者の排尿に使用する道具で、「花括け」は草花を飾る器。本来は「尿瓶」は「溲瓶」、「花括け」は「花活け・花生け」と書くべきでしょうが、落語の演題では「尿瓶の花括け」にすることが多いようです。

東京落語に比べて、上方落語には「汚い表現」が多いことも否めませんが、それを爽やかに演じることも、噺家の腕と言えます。上品な内容のネタでも、演者によって、下品に聞こえる場合もあるのですから・・・・・。

東京落語『ちきり伊勢屋』の上方落語バージョンで、長編だけに、上下に分けて上演致します。